冬の花



少し震えた私の体を割れ物みたいに優しく包む


桜木くんの暖かさが切なくて



ついに涙が流れた





私と桜木くんは家にはいりずっと二人で寄り添う


何をするでもなく




ただ手を繋いで

ぎゅっと抱きしめて



互いの体温を感じた





すぅっと不安が溶けて

気持ちが軽くなる



不思議だね



「ありがとう。」






私はいつの間にか寝ていた桜木くんに毛布をかけ

柔らかい頬にキスをした





自分でしておいて
今更大胆な事をしたと気づき




体が熱くなる


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