冬の花



「じゃあまたね、冬花。」



「うん。ばいばい。」




夕方になって桜木くんに小さく手を振る



玄関を閉め、自室に戻る



勉強机に置いていたノートを開き

今日の出来事を書いていく




桜木くんと付き合い始めたあの日から

毎日欠かさず書いているものだ


中身は日記とポエムみたいなもの




書くたびにいちから読み返して

この日々が夢ではないことを確かめる




シャーペンをそっと置き、ため息をつく






「駄目だなぁ、私。」



まだ自分が桜木くんと付き合っているということが夢か幻ではないかと考えたり

本当に私でいいのか、もっといい人が居るかも




なんて馬鹿みたいにいつも思ってしまう




本当に駄目だなぁ




私はもう一度盛大なため息をついた


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