冬の花
~冬花side~
ぽつりぽつりと降る雨を
窓から眺める
「どうしたの、冬花。」
「ううん、別に。」
布団の中に入りため息をつく
だんだん眠くなってきて目を閉じる
少しずつ強くなっていく雨の音が
五月蝿くてなかなか寝付けない
嘘。
本当はあの夢を見るのが怖い
逃げても逃げてても逃げ切れない
いつまでもどこまでも追いかけてくる
きっと私がいなくなるまでずっと
そう思うと体がまた震えだし
涙が目から溢れてくるんだ
「冬花。」