冬の花

~冬花side~



ぽつりぽつりと降る雨を
窓から眺める



「どうしたの、冬花。」


「ううん、別に。」




布団の中に入りため息をつく





だんだん眠くなってきて目を閉じる



少しずつ強くなっていく雨の音が
五月蝿くてなかなか寝付けない




嘘。



本当はあの夢を見るのが怖い


逃げても逃げてても逃げ切れない

いつまでもどこまでも追いかけてくる



きっと私がいなくなるまでずっと




そう思うと体がまた震えだし
涙が目から溢れてくるんだ



「冬花。」

< 59 / 218 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop