冬の花



声がかぶった事も気にせずに


すぐさま、冬花の元に駆ける



冬花を優しく抱き起こし

不安な気持ちで顔色を見る



「美咲、どこ?」


「冬花っ、私はここにいるよ?」



うっすらと開いた目に

しっかりと私が映る



そっと手を握るとすごく熱かった




馬鹿っ




風邪ひいた体で無理して


私なんかの為に・・・・。




「美咲、もう・・・。」


「馬鹿!冬花は私が守るんだから!」



きっと冬花は私も優も


朝倉先輩から守る為に



遠ざけるんだ




優しすぎるよキミは。


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