いちごみるくちょこ
あいつ…

そんなに生活苦しかったわけ?


たしかにあいつは他の女子と違って化粧したり髪いじったり飾ったりしてね―けど俺は永愛が興味無かっただけと思っていた。

もしかして…それも金?


「あの子も複雑なんだよ…」

安西って医者はつぶやいた。

その時――


「永愛ちゃん!
病室戻って!!」


そんな声が聞こえた。

あいつ見つかったのか。


俺は声がしたほうへ駆け寄る。


だんだん声が近くなった。


「二葉さん!お願い!!見逃してぇ―!」


「ダメよ!看護婦として見逃すわけにはいけないわ。」


「お願いです!毎日病院通うし注射もガマンするから!」

注射ガマンするってガキかよ!!

「ダーメ!!大人しく戻って!!もう命が関わる問題なの!」


命…

重い言葉―…


「ッッ…けど!」


「お金…でしょ?
どうにでもなるじゃない―…鈴さんにいったらきっと…」


「おばさんには言わないで!!!」

おばさんって永愛の?

身内だよな?なんで知らされることを拒むんだよ。


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