いちごみるくちょこ
そう。
わたしはお母さん達がコツコツためてきたお金を使うことにしたんだ。


「…今まで使わずに大事にとってたんじゃないの?使っていいの?」


わたしは軽くうなずいた。


「いいの。
わたし目がさめたんだ。
ほんとは手術するつもりあんまりなかったんだ…。けど命ムダにするなっていってくれた人がいた。甘えろっていってくれた人も……。
だからわたし、わたしを守って死んでくれたお母さん達のために生きる。お母さん達のお金かりてお母さんたちに甘えるんだ。」


言いたいことは全部いった。

彼方は下を向いている。


「か…なた?えと、ほんとにお金貸してくれるっていってくれただけで嬉しかったよ…?ありがと「大事な!!!!」


またわたしの言葉を遮って彼方が叫んだ。

「彼方…?」


「俺の大事な婚約者でしょ?だから親父が金だしてくれるっていったんだよ?身内みたいなもんだろ??誰に金かりたって一緒じゃないか!!!」

必死に、大声でいう彼方。


「彼方…?婚約は……やっぱりやめにしよう。やっぱり彼方は大事な友達だから…そんなふうに見えない。」


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