いちごみるくちょこ
わたしは近くにあった窓をあけた。


「…三階か四階ぐらいだね…」


「三階。」


「…斉藤龍っておぼっちゃま?」


「いやフツー。」


普通の家庭の人がこんなとこで一人暮らしする余裕あるわけないじゃん!!!


亜美ちゃんにこのこといったらどうなるだろ…


今までの態度一転するだろうな…


「じゃ、そろそろ病院いくか」

そういって斉藤龍がソファーにかけてあったこれまた高そうなコートを着た。


この前の黒皮の財布といいやっぱお金持ちって感じ…


「病院ついてきてくれるの…?」


「俺もそろそろ足見てもらうときだからついで。」


そーですか…


「わたしさすがにこの姿で外に出たくないな…」


ボソッと呟いた。


だってダボダボで肩落ちてくるしなんども足の裾ふんでこけそうになるし…


「注文多いな。
なんか上着貸したらいいんだろ?
下は我慢しろ。」


「ありがとです…」
< 206 / 326 >

この作品をシェア

pagetop