いちごみるくちょこ
まさかのin斉藤家2ツー!?
立場逆転で斉藤龍が怒って先々歩いてる。


わたしはブカブカのスウェットで歩きにくく、ズルズル引きずったような歩き方でトロトロ歩く。


出会ってまもないころの斉藤龍との帰り道の微妙な距離。

今はまさしくそのときと同じような距離。


もうすぐつく…
もうすぐつく…
もうちょっとの我慢だ…


呪文のように心の中で唱える。


もう斉藤龍のマンションが見えてきた。


前で不機嫌そうにポケットに手をいれて歩いている。


デコピン一回でそんなに不機嫌にならなくていいじゃない…
そんなこと口がさけても言えないけど。



ヴーヴー…

ケータイのバイブの音。


斉藤龍のケータイだよね??

斉藤龍は立ち止まってケータイをパカッと開けた。


「…なに。」


電話に出たのかケータイを耳にあてて喋っている。

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