いちごみるくちょこ
わたしは斉藤龍の横に駆け寄った。


「いきなり言われても無理。
今学校だし。」


学校…?


「斉藤龍?
今日柚学祭の代休じゃない!
誰に電話してるかわからないけど嘘いっちゃ…
て、んん!」


斉藤龍に口をおさえられた。


「おい!ちょっと黙ってろ。」


こ…こわ!!


そのとき斉藤龍のケータイから声が漏れた。


『ちょっと龍ー!
さっき女の子の声聞こえたわよ!!
彼女!?
彼女なのね!?
その彼女も連れていらっしゃい!
文化祭の代休なんでしょ今日!』


すごい大きな声…
全部聞こえてるし…


「うっせー!
行かねーもんは行かねー!」


口悪ッ!!


『あんたねー…
仕送り止めるわよ?
それがいやなら来なさい。
分かったわね?
じゃ。ブツッ』


ケータイが切れたみたい。


「あー!
くっそ!!」

ビクッ
大きな声に肩がゆれた。


「さ…さいとーりゅー?」


「…ごめん。
あと行き先変更。」
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