いちごみるくちょこ
「看護婦してました。」


「『してました』ってもうやめたの?
看護婦さん」


その言葉にわたしはうつむいた。

「父も母も…他界しました。」


「え?」


「…」


言っちゃった。


「永愛ちゃん…。」

なんて言われるだろう。

可哀想とか
辛かったねとか
もう聞きあきたよ…。


「永愛ちゃんはきっとこれから幸せになるわね!」

ニッコリと笑っていう秋波さん。


え??


「どんなに今つらいことがあっても、つらいことがあった分幸せになれるの。



「ほんとですか?」


「信じる信じないは自分次第。
わたしは信じてるわよ?」


「じゃあわたしも信じます…」


「ねえ永愛ちゃん。
何かを信じれるうちは幸せなのよ。
それだけはわかっておきなさい。



「はい…!」

こんなこといってくれたのは秋波さんだけだよ…。


涙がでそうなのをぐっとこらえた。
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