いちごみるくちょこ
「は?なに永愛、あのピアノ欲しいわけ?」

そう聞いてきた斉藤龍。

違う違う!


「あの白のグランドピアノ永愛ちゃんにあげるの?
じゃ、母さん次の土日にでも新しいの買いに行こっか。」


なんて言っちゃってる竜君。

話がなんか進んじゃってるよ!

「秋波さんいいですよ!
あれはもう秋波さんのピアノです!」


「でももともと永愛ちゃんのでしょう?
思い出のピアノなんでしょう?
遠慮しなくていいのよ?」


「いやほんとにいいです!」


力いっぱい断るわたし。


「おい竜。
お前話読めるか?」


「まったく。」


後ろでボソボソ話してる斉藤龍に竜君。



「めんどくせ。
帰る。」


いきなり斉藤龍はそういいだして玄関に向かった。


「待って斉藤龍!
秋波さん!わたしもう帰ります。
ピアノなら本当にいいですから!」


「そう…?
じゃあまた弾きにいらっしゃいね。
また絶対来てね。」

そういってわたしをギュッと抱きしめた。


「母さん。
俺そこまで送ってくるね。」


そういって竜君がついてきた。
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