いちごみるくちょこ
「さっきの奴らさ・・・」

いきなりしゃべりかけてきた。
昔のこと教えてくれるのかな?

「陸上部の先輩だったんだ。
 あのとき俺は陸上部にいて陸上が好きだった。」











「おい!斎藤!!すごいじゃないか!!また大会で1位だぞ!!
 成績もいいようだし、我が校始まっていらいの優秀な生徒だな!」

「そうですか。」

成績なんてどうでもいい。実績なんてどうでもいい。ただ走ることが好きだった。

そのときは1年で先輩たちは、2年生。
先輩たちも県では有名な陸上選手で、けど、この大会で俺に負けていた。

「おい、龍!また大会1位だったんだって?」

「・・・」

「相変わらず無口だな。それとも無視か?」

「・・・」

「大会勝ったからって調子のってんじゃねーよ!」

「次の大会。いくらでも先輩のためなら負けてあげますよ。わざとでよければ。」

「なっ・・・」

「お先です」

そのときから先輩から反感をかっていた。

もとから先輩のことは好きじゃなかった。
どうでもいい存在だったんだ。




あの事件がおこる前日・・・

「最近龍、調子のってね?」

「分かる!ツラいいからって調子のってるよな!」

「ちょっと痛めつけてやるか?」

「いいな!!」

そんなことになっているんなんて俺は知るはずもなかったんだ。





次の日・・・

その日先輩達は部活にこなかった。

サボりなんてよくあることだし俺はなにも気にしてなかった。
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