いちごみるくちょこ
その日の帰り。

俺はいきなり後ろから誰かに襲われた。
顔は覆面か何か隠していた。
ずっと俺の足をねらってくる。

変だとおもった。

「調子のってんじゃねーよ!!」
襲ってきた奴はさけんだ。

まさしく先輩の声だった・・・

次の瞬間犯人はナイフをとりだした。
犯人は複数だったし俺はかなうはずもなかった。

犯人は俺の足を思いっきりきりつけた。

「ッ!!」

「ザマ―ミロ!!調子にのってるからこうなるんだよ!」

そういい捨て犯人は去っていった。

あの声、人数、絶対先輩たちといいきれた。

けど俺は、言わなかったんだ。

誰にも・・・

足は思っていたよりバックリ切れていて歩くのは難しくなるかもしれないとまでいわれた。
けど俺はリハビリをして普通の生活ができるまでに回復した。

けど先生は・・・

「龍君、よくリハビリがんばったね。よくここまで回復したよ。」

「そんなことより陸上は・・・?できるんですよね?」

「うん…遊びでやるくらいなら大丈夫だ・・・けど君は県でもとても有名な選手だ。遊びでやってる訳じゃないいんだろう?こんど無理したら今度は立てなくなるかもしれない。」

残酷だった。

それから陸上部には退部届をだした。

かえりぎわに先輩達にあった。

「おい龍。お前足怪我して陸上部やめるんだって?災難だったな。けどお前は贅沢だったんだよ。頭もいい、ツラもいい、教師からのしんらいもある。これ以上なにがいるんだよ!ええ?」

あのとき俺を襲ってきた奴らは先輩の人数ちょうどだった。
この先輩も俺のことを・・・・

「・・・」

何もいえなかった。

それから二年になって先輩達は引退した。
俺の記録を超すこともなく。
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