いちごみるくちょこ
病院の玄関まで行くと斎藤龍は待っていた。

「先かえってっていったのに。」

「お前はこんな暗い中1人で帰る気?襲ってくださいって言ってるようなもんだぞ。それでいいなら1人で帰れ。」

はあ・・・前も同じようなこと言われたよね・・・

「送ってください・・・」

「それでいいんだよ。」












「お前うでどうだった?」

「別にちょっとひねっただけだったよ?」

「それにしては来るの遅かったな。」

「まあいろいろ話しててさ。」

「へ~。俺またしてんのに楽しくおしゃべりしてたんだ~~ふーん。」

「帰っていいっていったじゃん。」

「知るか。」

わがまま俺様S男!
あ!明日学校休むからそのこと言わなきゃ!

「あのさ・・・」

「あ!永愛。俺あした一緒にかえれないから。」

「そうなんだ。わかった。」

じゃあ別に言わなくていっか。


「明日さ、陸上部の大会あるんだって。後輩に見に来てくれって言われてて断ってたんだけど行くことにした。」

「・・・斎藤龍のこと必要としてくれる後輩がいるんだね!斎藤龍も後輩に慕われるいい先輩になってね。」

ニコッと笑っていった。

「俺にあこがれてあの学校に入ったって。怪我のこと有名だろ?だから後輩達も知ってさ、それでも俺のクラスまで来てコーチしてくれとか言いに来るんだよ。」

「そっか。斎藤龍はすごいね・・・斎藤龍は必要な人間なんだね・・・。」

「は?」

「なっ何もない!もう家ついたね。じゃあまたね。」

「ん。じゃあな。」






必要な人間。必要じゃない人間。

わたしはきっと必要じゃない人間。ずっとそう思っていたんだ。
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