いちごみるくちょこ
「治るまではどうするの?何も食べられないんでしょ?」

「栄養剤で補う。だから・・・そうだな。2週間に1回ほどここに通ってくれ。」

「はい・・・」

「じゃあ・・・今日は帰れ。な?ゆっくり休め。」

「はい。」

「無理しないでね。永愛ちゃん。」

「ありがとうございます。二葉さん。じゃ、帰りますね。亜美ちゃん。一緒に帰ろ?」

「うん・・・」

「あ!亜美ちゃん・・・ちょっと。」

「はい?」

「永愛のこと・・・よろしくたのむな。昨日の今日だ。たぶん無理してると思う。」

「先生は・・・よく永愛のことお分かりですね。」

「一応医者だからな。人の心はよく理解するほうだと思う。」

「医者にしては口が悪いようですけど・・・じゃあ永愛が待っているので失礼します。」

「ああ。」

















~龍目線~

信じられない・・・あいつにそんな過去があったなんて。

「ほんと、何も聞いてなかったのね・・・」

宮野は信じられないって顔で見てくる。


「あの子はね?絶対他人に甘えないの。わたしにも・・・ね。そしてアンタにも。」

「・・・」

「自分はいらない人間だと思ってるから。そして人殺しと思ってるの・・・」

だから昨日・・・あんなことつぶやいてたのか・・・

「あいつは悪くない!悪いのは園田って奴じゃねーか!」

「そうよ。悪いのはあいつ。けどね?あの子は面と向かって言われたの。あの子の祖母に人殺しって。」

「違う。あいつは人殺しじゃない。」
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