いちごみるくちょこ
「まだまだ言い足りないことはたくさんある。君は遠慮しすぎだ。もっと周りに甘えてくれ。」

「そうよ。永愛ちゃん。」

鈴ちゃんはやさしく言う。

「・・・はい。」

「じゃあもう帰りなさい。夕方だぞ?」

「はい。」


鈴ちゃんは玄関まで送ってくれた。

「やっぱ駅まで送ろっか?」

「いえ。ちょっと寄るとこあるので。」

「もう夕方よ?どこに寄るの?」

「海です。じゃあお邪魔しました・・・」

そういってわたしは海に向かった。















潮風がすこし肌寒い。

砂浜の砂も冷たくて気持ちいい。
砂浜にゆっくり座る。

「ここで・・・小さい頃よく遊んだな~」

なつかしい・・・

おばさんとおじさんも一緒に遊んでビチャビチャになったな。


・・・おじさんもおばさんもわたしに気をつかってくれてたんだな。

やっぱりわたしは・・・

わたしは・・・

みんなの邪魔者なのかな?

わたしだって・・・お父さんとお母さんが居なくなって寂しいよ。

けどみんなからお父さんとお母さんを奪ったのは、わたし。



わたしは・・・人殺し。

わたしなんか・・・死んでもだれも悲しまない。

・・・お父さんとお母さんのところに行きたい・・・
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