いちごみるくちょこ
「ん。」

斎藤龍は自分のブレザーをわたしに差し出す。

「え?」

「風邪ひくから着ろ。」

「ありがとう・・・」

「ん。」

「「・・・」」

しばらく沈黙・・・

なんかとても気まずかった。

「全部・・・聞いた。」

「・・・」

「お前の過去のこと・・・」

「そっか・・・亜美ちゃんでしょ?」

「おう。」

やっぱり・・・

「わたし・・・さっき死のうとしてたんだね・・・」

「・・・そうだな。」

「なんで止めたの?」

「なんでだろうな?」

あいまいな答え。斎藤龍なりに気をつかってるのかな?

「おばあちゃんのことも聞いた?」

「まあな。」

「おばあちゃんね・・・去年死んだの。」

「・・・そうか。」

「きっと最後までわたしを恨んで死んでいったんだね。」

「なにが言いたいんだよ」

「わたしは逃げたんだよ・・・。みんなの恨みから・・・お母さん達のいる場所へ逃げようとしたの。」

「・・・」

「わたしね・・・必死だったの。お母さんが死んで、わたしはみんなに『かわいそう』って言われた。けどそれは本心じゃなかったんだよ。みんな本当はわたしを恨んでるの。だから全部1人で頑張ったんだ。けどそれも全部から周り。今度はおばさん達に心配かけてた。」

「なんで恨んでるって言い切るんだよ。お前は人殺しじゃない。殺したのは園田って奴じゃねーか。」

「違う。わたしを殺すつもりだったの。アイツは・・・。お母さん達は身代わりで死んだも同然だよ。」

「違う。」

「違わないよ。殺す原因はわたしが作ったの・・・わたしがアイツと別れなかったら・・・っ!!

全部1人で我慢してたらよかったんだよ・・・」
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