いちごみるくちょこ
「ちょ!斎藤龍!ストップストップ!!」

「もう宮野いないな?よし。」

すると斎藤龍は止まった。

「はぁはぁ・・・疲れた~~~!!」

「大丈夫か?」

「うん!はぁ・・・走ったの10年ぶりだぁ!!」

「10年!?」

「うん!心臓が悪くてね!けど今平気だよ?止められてるけど苦しくないし!」

「ほんとか?」

「うん!」

「じゃ、走らせちゃったおわび。ん。」

わたしにいちごみるくの棒つき飴を手渡す。

「これなら食えるんだよな?」

「うん。不思議なことにね。」

「お前も大変だな・・・」

「そんなことないよ。」

そういっていちごみるくの飴を口にする。

「斎藤龍っていっつもこの飴持ち歩いてるの?」

「まあな。」

「なんでそんなに好きなの?」

「なんかなめてたら落ち着く。」

「・・・ちょっと分かるかも。なんかやさしい味だね。」

「おい。家ついたぞ。」

「いつのまに!!じゃあまた明日ね!」

「じゃあな。」




もうそのときから斎藤龍と一緒に帰るのは苦痛じゃなかった。

わたしはきっと・・・斎藤龍に恋してたんだね。

いちごみるくみたいなやさしい恋を・・・

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