いちごみるくちょこ
「ちょっと!!ちょっと待ってよ!斎藤龍!!」
斎藤龍はわたしの荷物を持ったまま足早に歩いていく。
追いつけないって!
「斎藤龍ってば!待ってよ!!」
すると斎藤龍はやっと止まってくれた。
「斎藤龍!!なんで先行くの!?しかもなんで怒ってるの!!??」
「お前さぁ・・・なんで俺にはフルネームなのにあいつには名前で呼んでんの?」
え!?そんなこと言われても・・・
「だって・・・斎藤龍は斎藤龍じゃん!」
「意味わかんねーよ。なんで?」
「だって・・・いまさら名前で呼べないし。斎藤龍で染み付いちゃったんだもん!」
「はぁ・・・もう意味わかんね」
「意味わかんないのはこっち!なんで怒ってるの!?」
「怒ってねーよ!だいたいお前なんでアイツと手ぇつないでたんだよ。男嫌いってうそ?」
今の一言はさすがにカチンと来た。
「わたしから繋いだんじゃないもん!だいたいなんで斎藤龍にウソつかなきゃいけないのよ!しかもキライとはいってないし!しかも何さっきから怒ってんの!?手だの名前だのそんなのどうでもいいし斎藤龍に関係ないじゃん!馬鹿!!!!!」
はぁ・・・すっきりした!
「・・・分かった。じゃぁもーいいから。じゃあな。」
そういってわたしのかばんをわたしの足元に置いて歩いていった。
あれ・・・?わたし・・・さらに怒らせた・・・?
ちょっと言い過ぎた・・・のかな?
とにかくやばいよね!
「斎藤龍待って!ごめん!わたしが言いすぎた!!」
でも斎藤龍は振り向いてくれない。
斎藤龍が悪いんだもん。・・・わたしはもう謝ったもん。・・・
荷物返してくれたんだからもう斎藤龍なんてほっといたらいい。
でも・・・・わたしはほっとけない。
なぜかわかんないけど・・・ほっとけないんだ。
わたしは走って斎藤龍を追いかけた。