いちごみるくちょこ
どうしてそんなに悲しそうな顔するの?
「俺は今の俺が好きだよ?どうせ医者になることは決まってるんだから…今ぐらい自由に生きてていいだろ?」


彼方は無理に笑いながら言う。


「昔の俺みたいに父さんのいいなりで生きるなんていやだ。今ぐらい反抗させろよ…」


彼方も…きっと辛かったんだね……

みんな遊んでるのに一人だけお父さんの言う通り勉強して…怒られて…わたしなら耐えられない。


「永愛も昔のいい子な俺が好きなんだろ?」

わたし…ひどいこと言った。彼方のこと何も知らず昔、昔って...



「彼方…ごめん」

わたしは彼方の頭を撫でた。

「永愛?」


「ごめんね?わたし彼方の気持ち知らなかった。」


「いーよ。別に気にしてないよ♪」

ほら。また無理に笑ってウソをつく。

やっぱり彼方は…

「変わってないね。」


「え?」


「中身は何も変わってないよ。」

わたしは笑って言う。


「ありがとう。永愛」


彼方も笑って言う。
この笑顔はきっと素の笑顔だよね
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