味わいたい指 《密フェチ》
味わいたい指
――私は、繊細な指に弱い。


男の人なのに、細くスッとした、折れてしまいそうな指に。





――取材中だというのに、今まさに私の目の前に座り、穏やかに話してくれる彼の指を盗み見ては、頬が少し熱くなる。




(彼の指を味わってみたい)




思わず指を見つめる私に、彼が笑顔で首をかしげるから、あわてて平静を装い取材を続ける。




ここは画家の彼のアトリエ。撮影を終えたカメラマンはすでに別の現場へ行き、彼の作品たちが見守る中、私たちは2人きり。




ふいに口に出た。





「――指、きれいですね」

< 1 / 4 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop