チョコレート
「あの…名前…なんですけど…」

「名前?僕の?」

返事はせず、こくんと頷いた。

「下の名前だよね?」

「はい…ひかるさん…でいいんですか…?」

彼はその言葉を聞くと、声を出して笑った。

「あはは!そうそう、よくそう間違われるんだよ!」

「違うんですか!?」

思わぬ返事に私は顔を上げた。

彼は得意の甘くて苦いチョコレートの笑顔で
「違うんだな。当ててみてよ、当てられた人は少ないけれど。」

「ひかり…とか…?」

「残念!」

「じゃあちょっと分かんないです…」
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