チョコレート
「あおちゃん、今日初めて君の笑った顔を見たけど、すっごく可愛かったよ。僕は君の愛想笑いか照れた顔しか見たことが無かったから。」

その言葉が更に私の呼吸を荒くさせる。

「声をあげて笑うなんて意外だった。」

「意地悪しないで下さい…」

「ははは、ごめんごめん。だけど可愛かったってのは本当だから。」

私は恥ずかしくて下を向いたままだった。

「じゃあ、また来週。会えるの楽しみにしてるよ。また一緒に帰ろうね。」

嬉しくて、恥ずかしくて、驚いて…

私は小さな声で「はい。」とだけ捻り出した。
< 27 / 28 >

この作品をシェア

pagetop