想いを伝えたい
「先生が好き」
聴診器を外して
「好きだっていう気持ちが聞こえたよ」
「………」
私の顔はきっと真っ赤だ。
「かわいい」
下を向いたままの私の顎に手が触れ顔を上に動かされた。
「先生と患者だからと遠慮していたけど付き合ってください」
「えっ…」
「嫌?」
「嫌じゃないです」
そう私が言うと先生の顔が近づいて唇が重なった。
そっと触れただけの唇が火照りだした。
唇の割れ目から先生が侵入してくる。
「はぁっ」
私の口から息が漏れた瞬間
「ここから先は退院してからの続きね」
そう私の耳元で囁いてから先生は病室を出て行った。
『あ~もう!この火照った体をどうするのよ』
そう心の中で思いながら先生が来るまでの退院する寂しさは楽しみに変わっていた。
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