明日の空へ〜キセキの跡〜
はっ―――……
「だ、大丈夫です」
ゆうこさんの声で
我にかえった。
「本当に大丈夫?もう病室に戻りましょっか?」
「ほんとに大丈夫ですから。」
「えっでも……」
「大丈夫ですよ!!
なっなんか暇ですねっ!」
病室に帰りたくなくて
ぱっと出た言葉。
「そうねぇ〜
あっ千絋ちゃん。
少女と天使が恋する話知ってる?」
「少女と天使が………?」
そんな話この15年間生きてきて聞いたことがない。
「あのね――――――……
ある病院にね、
重い心臓病をもった女の子がいたの。
本当に病院が嫌いでね、
いつも泣いてたんだって。
ある日ね、女の子が泣いてる時、1人の天使が現れたの。
名前は―――…
確か“優斗(ユウト)”
だったかしら。」