晴の思い出
すっかりコンビニでの事件と爽やか好青年のことを忘れていた時だった。
遊んでた男があまりにつまらないから奢らせてさっさと帰る途中、
コンビニに寄って杏仁豆腐を買って店を出た。
「また杏仁豆腐なんだね。」
『……?』
後ろから声がしたから振り向いた
「俺のこと忘れた?」
『古いナンパだね。悪いけどお断り。』
「本当に忘れたの?」
しつこい。そう思いながら顔をよく見ると、
髪型は違うけど、いつかの爽やか好青年だった。
『思い出したよ、爽やか好青年』
「桐島、桐島夏です。夏って呼んでね、希美ちゃん」
『名前…、よく覚えてたね』
「まぁね、ねぇ、今度時間ある?」
『は?』
「良かったら来てよ。俺、バンドやってるんだ。」
そう言ってチケットを渡される
「来てくれるの待ってるから!」
チケットを返す間もなく、爽やか好青年…、夏は行ってしまった。
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