晴の思い出


今日も街に来たけど、特に行きたい場所があるわけでもない。


『暇だな。』

「じゃあ遊ぼ?」

ひとりごとに返事があったことに驚いた。

「ダメ?」

『…良いよ?』

笑顔で言って、男に連れられてお店に向かう。

『ここ?』

「そうだよ、早く行こ?」

必要以上のライト。
紫外線を測ったら…明るすぎて入れない。

『このお店は嫌!帰る。』

「なんで?」

男が何か言ってるけど無視して歩き出す。追って来ないだけましだ。

しばらく歩いて、ビルの影に隠れて紫外線を測る。
ここなら大丈夫。


バックの中に紙が入っているのに気付いた。

爽やか好青年に渡されたチケット。

ライブハウス近くなんだ。日付は今日。

興味はないけど、行きたい所もない。

………行ってみるか。





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