晴の思い出


………。

類は友を呼ぶ

このことわざは本当なんだと実感した。

藤崎さんは、爽やか好青年と少しタイプが違うけど
爽やかでイケメンの部類の人。


そして今、目の前で数十分にわたって写真集の感想を聞かされている。

ただ苦笑いしか出来ない。


「守、そろそろいいんじゃないか?お前の気持ちは伝わったと思うぞ?
本題に入ろう、それにまだ彼女に話してないんだ。」

「はぁ?何で話してないんだよ!」

『………?
まだなにかあるの?』

隣にいる爽やか好青年を軽く睨む。

「やっぱり自分でお願いした方が良いって思って。」

「それもそうだな…。

エンジェルちゃん、君に頼みたいことがあるんだ。」

『あの、自己紹介が遅れました…。私はエンジェルちゃんじゃありません。
晴野希美です。』

「エンジェルちゃん?なにそれ?」

キョトンとした顔で慶くんが質問した。

「あの写真集の希美ちゃんは名前を出してないんだ。
だから一部でエンジェルちゃんって呼ばれてるんだ。」

なぜそこまで知ってるんだ爽やか好青年!

『実際呼ばれたのは初めてです!
本当に止めてください!』

「ごめん…、でもすごく…すごく綺麗で、天使みたいだって思ったんだ。」

『…ありがとう。マイクの写真集をそんなに好きでいてくれて。
だけど私は晴野希美です。忘れないでくださいね?
ところで頼みたいことって?』





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