晴の思い出
「俺、将来は映像クリエーターになりたくて、今専門学校行ってるんだ。
そこで今度、学生を対象としたコンクールがあって、
そこで良い成績だったら夢に近づくんだ。
完成したPVをコンクールに応募しても良いかな?
夏が君と知り合ったって聞いて、二度とないチャンスだと思ったんだ。
ダメかな?」
「こいつ写真のコンクールで入賞してるし、俺もこいつの写真好きなんだ。」
『……コンクールに応募するくらい良いですよ?
でも私、夜しか撮影出来ません。
それでも良いですか?』
「夏から聞いてるよ。
本当に夜だけしか撮影出来ないの?」
『あと紫外線が多い場所もちょっと…、
それがダメなら出ない。』
「だいたい何時からなら大丈夫?」
『夜の8時から2時までなら』
「6時間かぁ。わかった。」
『ありがとう。
ところで、どんな曲でPV撮るの?
私、映像初めてで演技なんて全く出来ないよ?』
「夏が君に作った曲で撮ろうと思ってるんだ。
君をイメージして作ったんだから演技なんてしなくて良いさ。
音は使わないからセリフは棒読みで平気だし。」
『…PVの曲って例の3曲目?
止めてよ恥ずかしい!』
私をイメージして作った曲のPVに私が出るの?
冗談でしょ?
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