晴の思い出
「とりあえず君たちの名前は?」
『はる…、晴野希美(ハルノノゾミ)です』
「僕は……」
『彼は関係ないんです!たまたま通りかかって…助けてくれたんです!』
こんな"爽やか好青年"に借りを作りたくない。
「一応決まりだから。」
「はい。」
嘘でしょ?
言うの?
借りが出来るじゃん!
「桐島夏(キリシマナツ)です」
…言ったよ。言っちゃったよ。
借り確定。
「年と職業は?」
『あっ、16歳です。』
ヤバいヤバい。
か弱い女の子じゃなきゃ。
「19歳の大学生です。」
「君は?学生?」
『私は…学校へは行ってません。』
「え?…あぁ、そう。」
そりゃ引くよね。
まぁいつもの事だけど。
.