晴の思い出
『今日はさっき言った通り、
警察に行って、事情をもう一度話してたら彼が来たの。』
「その彼ってどんな人?
イケメン?背は高い?」
『…………。
"爽やか好青年"
を絵に描いた感じ?
背も高かったと思うよ?』
「なんか冷めてる!」
『別に恋してる訳じゃないんだから良いでしょ?』
「すれば良いでしょ、恋。」
『……出来ないよ。』
「どうして?」
『出来ないものは出来ないの!
例え恋をしても
付き合える訳じゃない!
仮に付き合えたとしてもデートなんて出来ない!
お母さんが一番良くわかってるでしょ!?』
「………ごめんなさい。」
お母さんが今にも泣きそうな顔で謝る。
『………私こそごめんなさい。』
お母さんに悪気があった訳じゃない事くらいわかってる。
リビングの重い空気に耐えられず、
部屋に逃げ込む。
お母さん本当にごめんなさい。
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