晴の思い出


授業が終わり部屋に戻ってベッドで漢字の練習をしていると


隣からまた視線を感じる。


さっき先生が少し英語を教えてくれたし、近くに日本語がわかる看護師さんも居る。

勇気を出して話しかけてみる。


『何か用?』


彼女はびっくりしながらも


「漢字を教えて」


と言ったみたいだった。


『良いよ!でも私にも英語を教えて?』


そう通訳してもらうと彼女は笑顔になった。



彼女の名前はマリア

名前の通りすごくキレイだった。

年は3歳の10歳。

お姉ちゃんが出来たみたいで嬉しかった。


私は英語を教えてもらい、マリアには日本語を教え、一緒に漢字の練習をした。


マリアが昨日ずっと私を見てたのは、日本の絵本とキティちゃんのぬいぐるみが気になったからだって。


絵本を貸す代わりにファッション雑誌を貸してもらった。




この時からマリアは親友になった。





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