晴の思い出


マリアは私が足の手術で不安な夜は一緒のベッドで寝てくれた。

手術後のリハビリの時は私の横でのんきにファッション雑誌を読んでいた。


約半年も一緒にいたから、私は英語がほとんど理解出来たし話せるようにもなった。

マリアも日本語が上手になった。


常にどこに行くにも一緒だった。



だから忘れてたんだ。


マリアもXPだって事を…。




マリアの不調は手の神経症状からだった。


前は足に神経症状が出て手術をしてたらしい。


今度は手、まだ10歳。


進行が早すぎる。


マリアの調子はどんどん悪くなるのに、

私の足はどんどん良くなる。


足が回復した私は月に一度検査に来ると言うことで退院となった。



「希美、私達は他の人より未来が人より短いんだから、

自分の好きなように生きなさい。

後悔だけは絶対にしちゃダメ!」

退院前夜、マリアは私にそう言って来た。


また1ヶ月後には会えるのに急にどうしたんだろうって不思議に思った。



でもその通りだと思ったから大きくうなずいた。





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