晴の思い出


今日は病院の日


朝から楽しみで仕方なかった。


病院に行くのが楽しみなんて変な話しだけど。


リュックには日本から送られて来たお煎餅を入れて準備万端!



病院に着いてすぐマリアに会いに行きたかったけど、検査が先。


検査が終わったから急いでマリアの病室に向かった。


ノックをして病室に入る


………!


ベッドに寝ているマリアはすごく痩せていて、


私の知らない人みたいだった。


でもマリアが一番辛いはず、

そう思って明るく話しかけた。


『久しぶり!お土産があるんだ!

前に食べたお煎餅。好きだよね?』


「希美…ありがとう。」


そう言って伸ばした手を強く握り返した。

マリアが生きているのを確かめるように。


私は学校のこと、手話と点字を覚えたこと、目標が出来たこと、

近所の犬が可愛いことなど、いろんな話しをした。


マリアはずっと笑って聞いていてくれた。




次に来る時には漢字検定の合格書を持って来ることを約束して帰った。



きっとマリアは良くなる。


そう信じていた。






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