晴の思い出



3日後、検定を受けた。


結果はまだわからないけど、あれだけ勉強したし、手応えもあった。


マリアに良い報告が出来る。



そんな事を考えながら家に帰った


『ただいま!』


「お帰りなさい。」


なんかいつもと違う


『今日検定だったの!絶対合格してるよ!』


「……あのね、希美…。

さっき電話があって、マリアちゃんが……亡くなったって。」


なにそれ、…死んだって事?


『…嘘だよ。どうしてそんな嘘つくの?』


信じない


「本当よ!!」


信じない、信じない!


『だって約束したもん!
"またね"って言ったもん!』


「嘘じゃないの!」


『嘘だもん!

そんな嘘つくお母さんなんて大っ嫌い!!』



そう言って自分の部屋に逃げ込んだ。



マリアが死んだなんて信じない。


まだ11歳のマリアが死ぬなんて…


退院前に"ずっと一緒だよ"って言いながらマリアの誕生日を祝った。


マリアが約束を破る訳がない。



そう思いながら私は泣いた。



泣いて泣いて、泣きわめいた。






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