晴の思い出
リビングでマリアからの手紙を開ける。
なぜか怖くなってしまった。
これを読むと永遠の別れのような気がして。
【希美へ
私、本当は今すごく怖い。
こうしてペンを持つのも辛いし、話すのも辛い。
けど希美に聞いて欲しい事がたくさんあるから、今の私の正直な気持ちを書くね。
私、希美と出会えて本当に良かった。
妹が出来たみたいで嬉しかった。
一緒に出かける事はできなかったけど、毎日一緒にいれて幸せだった。
でも心残りがあるとすれば…
ボーイフレンドが欲しかった。
"運命!"って思えるような出会いをして、
彼と一緒に映画に行くの。
ショッピングして、アイスを食べて、夕暮れのビーチを歩くの。
防護服じゃなく、おもいっきりオシャレをして。
叶わないってわかってるけど、憧れてたんだ。
この夢、希美が叶えてくれる?
ううん、絶対叶えてね。
私ができなかった事を希美にはして欲しい。
最後のお願い…
素敵な恋をしてね。
そして私の分まで人生を楽しんで!
希美の親友、マリアより】
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