晴の思い出



手紙を読み終わると泣いてる事に気づいた。


この前あんなに泣いたのに、涙はどんどん溢れて来る。

そのまま涙が枯れてしまうんじゃないかって思うほど泣いた。



マリアが死んでしまった悲しみは癒える事がない。


それに、同じXPの患者が死んでしまうのを目の当たりにしたのが初めてだったから、



いつか私にも死が訪れる。


そう考えると怖かった。



でもマリアは最後まで精一杯生きた。



だから私は


マリアの分まで精一杯生きよう。
恋もしよう。


そう誓った。




それからの私は前以上に勉強した。




私はもうすぐ8歳になる。



深い悲しみを経験するには幼すぎた。








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