晴の思い出



…失恋と言う事なのかもしれない。


けど、それ以上にショックだったのは


防護服を着たままじゃ、デートも出来ないと言う事。



家の中で毎日も落ち込んだ。


ウジウジしてる時間はない。


でも外には出たくない。


結局私は、学校へは行かなくなった。


両親に相談した結果、授業はパソコンを使って受ける事にした。


昼間はパソコンで授業を受けて、時間があれば検定の勉強やピアノを弾いた。


ピアノは指に神経症状が出た時すぐにわかるように、そう言われて習いだした。


外出は夜からで、お父さんかお母さんのどちらかと必ず一緒に行く事。


まだ子供だからお母さんとスーパーに行くくらいだけど。


洋服が欲しい時は両親に頼んで少し遠くのデパートに行った。


洋服を選んでいる時だけ、私は普通の女の子になれた気がした。



時々、私は普通じゃないんだ。



そう思ってしまう自分が嫌になった。






.
< 64 / 137 >

この作品をシェア

pagetop