晴の思い出



病院から帰ったら夢から覚めたように、また勉強の日々。



ある日お父さんが大きなケーキとリボンの付いた箱を持って帰って来た。



どうやら私は今年も自分の誕生日を忘れていたらしい。


確かにお母さんは朝から忙しそうだったし、何か隠している感じだった。



すぐに準備が出来て、テーブルにはお母さんが用意してくれた豪華な料理と、お父さんが買って来てくれたケーキが並んでいた。



『すごい!今日はパーティーだね!』


「そうね、お母さんも張りきったんだから」


「お父さんも誉めてくれよ、ケーキ美味しそうだろ?」


『うん!お父さんもお母さんもありがとう!』


そう言いながらみんな椅子に座った。


「じゃあいただきます!」


「『いただきます!』」


『!!美味しい!お母さんこのハンバーグ美味しい!』


「本当美味しいよ」


「ありがとう。」


なんて言いながら家族3人ではしゃいでいた。




きっと全員が、あと何度この誕生日を祝えるかを考えていたと思う。







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