晴の思い出


『話し?急にしんみりしてどうしたの?』


「あのね、実は…」


「僕から話すよ。」


『………?、何?』


「実は転勤って言うか、日本に戻る話しが前から出てて、昨日正式に決まったんだ。」


『いつ…戻るの?』


「そんなにすぐじゃないんだ。希美が15歳の春、つまり高校生になる時に戻る予定だ。」


『そっか、じゃあ時間はあるんだね、

なんだぁ!てっきり離婚でもするのかと思った!』


「バカ!こんなラブラブな2人が離婚するか!」

「そうよ!ご近所では"おしどり夫婦"って有名なんだから!」


『"おしどり夫婦"?それって日本語でしょ?』


「まぁみんなが認めるラブラブ夫婦って事には変わりないの!」


『そっか、まぁ一安心。』


「でもな、希美はどうしたい?」


『どうしたいって何を?』


「学校とか、友達とか…」


『学校は今まで通りパソコンを使って授業を受ける。

友達は…いない。』


「希美…、」


『そんな悲しい顔しないでよお母さん!

だってもう2年近く学校行ってないんだよ?仕方ないよ』


自分で言いながら、寂しい気持ちになった。






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