晴の思い出



ケーキを食べる時、私は無駄にはしゃいだ。



部屋で一人考えてみた。

別にアメリカに未練はない。


マリアとの思い出が詰まってる場所は病院だけ。


マリアはアメリカにも日本にも、世界中どこを探してもいないんだ。


そう思い、プレゼントの楽譜とマリアと撮った写真を抱いて眠りについた。




一晩たって、答えは決まった。


『おはよう、お母さん!』


「おはよう」


『お父さんは?』


「顔を洗ってるわ」


「おはよう」


『おはよう、お父さん

お父さん、お母さん、私決めた。

日本に戻る。』


「本当にそれで良いの?」


『うん!ここに未練はない。

学校だけど、日本で養護学校に行くつもりもない。

知ってるでしょ?この前、日本の大学入試の模試で全部A判定だったのを。』


「そうだけど…」


『私は日本で勉強しなくても後悔しない。』


「希美がそれで良いなら反対しないよ」


『ありがとう!お父さん』


「でも、こっちにいる間は勉強すること、これは約束だ。」


『わかってる』






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