晴の思い出
「出来た!…どう?」
『はい。………すごく可愛いです!』
私の長かった髪は胸の辺りで揃えられていた。
「イメージは"りかちゃん人形"って所かな?」
一瞬でイメージ出来るなんてさすがプロだと思った
「あのさ、ヘアアレンジした君を写真に撮っても良いかな?」
『…写真?どうして?』
一冊のファイルを渡される。
『可愛い!どれもモデルさんに似合ってる!』
「全部僕がアレンジしたコレクション、って言うか自分の売り込み用のファイル。
ここに君を載せたいんだ。初めてのアジアンビューティーとして。ダメかな?
もちろん、メイクと衣装も用意するから!」
『ありがとうございます。でも私、昼間はダメなんです。それで良ければ。』
「夜でも平気さ、いつなら空いてる?」
『夜ならいつでも。』
「じゃあ日程が決まったら連絡するね。」
『わかりました。待ってます。』
「じゃあまた、」
そう言われてお会計に向かった。
レジ係の女性に「彼があんな事言うのは珍しいのよ」って教えてくれた。
新しい髪型で街を歩くとどこか新鮮だった。
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