晴の思い出



撮影が終わってからの毎日は、また手話の勉強と日本のドラマで日本語の勉強。


もしまた何かあった時のために、護身術を習い始めた。


体を動かすから良い運動になる。



そんなある日、撮影をしてくれたカメラマンさんから連絡があった。



《コンテストの一次審査に受かったよ!》


『…コンテスト?あぁ、写真の?おめでとう』


《違うよ!16歳以下のミスコンの一次審査だよ!》


『ミスコン!?』


《応募して良いって言ったじゃないか。》


『コンテストに応募して言いとは言ったけど、ミスコンなんて聞いてないです!』


《まぁまぁ、このミスコンは写真で決まるから、自己アピールとか考えなくて良いよ》


『今から辞退しちゃ…』


《ダメだ!このミスコンはヘアメイクと写真で決まるんだ!

つまり僕とクリスの名前を売るチャンスなんだ!

だから辞退なんて言わないでくれ。グランプリになったら夜の会見で"ありがとう"と言うだけで良いんだ》


『わかりました。連絡ありがとう。』



正直、自分を可愛いと思った事がないから驚きだ。でもここで辞退したら後悔すると思った。




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