晴の思い出
「希美!久しぶり。待ってたよ」
『クリス!受賞おめでとう!』
「当然だろ?だって希美はすごく可愛いからね。」
『…照れちゃうからやめてよ。
ほら、早くもっと可愛くして!』
「世界中で一番可愛くしてあげる。こちらへどうぞ、お姫様。」
髪が巻かれてアレンジされて行く。
「目を閉じて。」
丁寧にメイクをされて、目を開けたら
『可愛い。
この前とは違うけど、すごく可愛い』
「だろ?大人っぽく仕上げてみた。絶対にグランプリより可愛いはずだ。」
そう言って鏡を見ながら笑い合った。
展示会はとても綺麗だった。
飾ってある写真の中の女の子はみんなキラキラしていたけど、私の写真だけちょっと違っていた。
他の子はスタジオで撮った写真なのに私だけ道端に立っている。
少しだけ場違いな気分になった。
「希美!ここにいたのか!
今日も可愛いよ!少し撮らせてくれ!」
『マイク!久しぶりなのにいきなり写真の話し?良いけど。』
「ありがとう!…ここじゃダメだ。外に行こう!」
『外?
って引っ張らないで…』
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