晴の思い出
『ねぇマイク、なんで道端なの?
他の子はスタジオで撮ってたみたいだし、素人は私だけじゃなかった?』
会場の外、道端で尋ねた。
「確かにみんなモデル事務所の子だよ。
でも彼女達は撮られ慣れてるから、ついキメ顔になるんだ。スタジオだと余計に、
でも僕が撮りたいのは、自然体の女の子なんだ。
希美みたいなね?」
『……ありがとう。』
「照れた顔も可愛いね」
話してる間にもマイクはどんどんシャッターを切る。
心から楽しいと思えた。
「希美が望むならモデル事務所を紹介しようか?」
『私が?………興味はある。』
「本当に?あっ、さっき会場にモデル事務所の人居たんだ!
会場戻ってオーディションの説明してもらおう。」
『今?写真はもう良いの?』
「たくさん撮ったから!それにお父さん達も居るんだろ?一緒に説明してもらえば良いさ。」
マイクは手早く荷物をまとめると会場に向かって歩き出した。
モデル事務所に入るって事は…
まぁ考えるのなんて時間の無駄。
踏み出さなきゃ何も変わらない。
.