晴の思い出

『晴野希美』15歳〜



日本ではお父さんが家を買っていたみたい。

よくわからないけど、海外勤務をしていただけあって優秀なんだろう。



東京ではみんな流行りの服と言えば聞こえは良いけど、みんな同じ服を着ていた。


これだから"没個性"って言われるんだ。



一応、お母さんと渋谷に買い物に行ってみたけど、ワンピースを3着買った。




また後日、1人で渋谷に行ってみた。


そこでびっくりしたことは、私をナンパして来た男が、ブスに対してすごく冷たかったこと。


これは日本人特有なのかと思った。



アメリカでモデルをやってたくらいだから、少しは自分の容姿には自信があった。


でも、ナンパして来たチャラい男の1人がこう言った。

「これからラブホ行かない?」


…そんな軽い女に見えてたのか。


ムカついて男のつま先をヒールで思い切りふんでやった。



この時誓った。



このルックスを最大限に利用しよう。

安い女にはならないって。

マリアに自慢出来るくらい素敵な恋をしようと。





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