地味なあの子は鬼狩り少女SS



…その手の予想外の柔らかさと、華奢さに驚いて、咄嗟に手を離しそうになるけど、

…それ以上に、愛おしく感じて。

俺は、小さなその手をぎゅっ…と握りしめて、歩き出す――…

…――までは良かったんだが。


「………」「………」


緊張した俺は、気の利いた小話の一つもできず。

神無も、緊張した顔で口を閉ざしたまま、


時間だけが過ぎていく。



< 58 / 118 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop