『愛してる』と伝えたい・・・(完)
手を振り、

春美が下りて行った。

見えなくなった次の瞬間、

ゴトンと、スゴイ音がした。


「おい、姉ちゃん大丈夫か?」


バスの運転手が、ドアの外を見ている。

・・・

もしかして。

オレは慌ててドアの方に向かった。

・・・やっぱり。


どうやら、春美は、階段を踏み外したらしい。

立ち上がろうとしたけど、

よろけていたので、

オレは春美を、

支えて立たせた。



「兄ちゃん、その子と知り合いかい?」


「・・・ええ、ちょっと」


「その子を連れて、離れてくれるか?

バスが発車できない」


「え、あ、はい」

オレは運転手に従って、

バスから離れた。

・・・あ。

バスが行ってしまった。
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