HAPPY CLOVER 1-好きになる理由-
俺はさっさと荷物をまとめて窓際の一番後ろの席へ向かう。まだ信じられない。珍しくワクワクした。
新しい席に座ってクラス全体を眺め回す。ここは最高の席だよ。しかも隣は……!
高橋さんを見るといつもと変わらぬ何の特徴もない動作で荷物をまとめて席を立ち上がったところだった。
そして振り返って俺のほうを見た。
すぐに黒板を確認するために前を見る。
――うん、間違ってないよ。
俺は笑いを噛み殺すのに苦労した。普段全く表情のない高橋さんが突然わかりやすい行動を取り始めたからだ。
しばらく黒板を凝視していた高橋さんは、まだ信じられないというような顔でこちらを向いた。
目が合う。
俺はできる限り自然に笑おうとした。が、……ヤバイ! かなり不自然な顔だろ、これ!!
だが、俺はすぐに心を引き締める。
近づいてきた高橋さんはまるで怯えた小動物のようだった。かわいそうなくらい動揺している。
それってどういう意味なんだろう? まぁ、いい。これからじっくり教えてもらうからね。
「高橋舞さん、よろしくね」
名前をわざとフルネームで呼んだ。
高橋さんはこれ以上ないくらいポカンとした顔で俺を見つめた。
新しい席に座ってクラス全体を眺め回す。ここは最高の席だよ。しかも隣は……!
高橋さんを見るといつもと変わらぬ何の特徴もない動作で荷物をまとめて席を立ち上がったところだった。
そして振り返って俺のほうを見た。
すぐに黒板を確認するために前を見る。
――うん、間違ってないよ。
俺は笑いを噛み殺すのに苦労した。普段全く表情のない高橋さんが突然わかりやすい行動を取り始めたからだ。
しばらく黒板を凝視していた高橋さんは、まだ信じられないというような顔でこちらを向いた。
目が合う。
俺はできる限り自然に笑おうとした。が、……ヤバイ! かなり不自然な顔だろ、これ!!
だが、俺はすぐに心を引き締める。
近づいてきた高橋さんはまるで怯えた小動物のようだった。かわいそうなくらい動揺している。
それってどういう意味なんだろう? まぁ、いい。これからじっくり教えてもらうからね。
「高橋舞さん、よろしくね」
名前をわざとフルネームで呼んだ。
高橋さんはこれ以上ないくらいポカンとした顔で俺を見つめた。