HAPPY CLOVER 1-好きになる理由-
#14 愉快な俺の家族を紹介します(side暖人)
毎日朝がやって来るのは当然のことだが、それがこんなに嬉しいことだと感じられる俺は相当お目出度い頭になっているようだ。
何しろ低血圧なのか目覚めてからしばらくは全く使い物にならない俺が、起き上がってすぐに思考活動を開始しているのだから今までなら信じられない話だ。
勿論、考えることは一つ。
――さーて、今日はどうしてやろう?
今までの自分は一体何をしていたのだろうと思う。毎日毎日、ただ学校に行って、ただ授業を受けて、ただ友達と適当に話を合わせて、ただ帰ってくる。
退屈でつまらない学校生活だったことは間違いない。
だけど、今の俺は違う。学校に行く目的がある。まさに生徒の鑑と言ってもいい。
――いや、さすがにそれは違うな。
そう自分にツッコミを入れつつ、自室から出てリビングに降りた。
「お兄ちゃん、おはよう」
妹がパジャマ姿でうろうろしていた。酷い寝ぐせで髪の毛が重力に思い切り反発している。
「おはよう。それにしても笑佳(えみか)、お前の髪は毎朝爆発して大変だな」
半分しか目が開いていない妹は、首だけを俺のほうに向けてニヤッとゆるい笑顔を見せた。
「お兄ちゃん、今日はどうしたの?」
「……ん?」
「朝から私に話しかけるなんて、ずいぶん機嫌いいね」
鋭い指摘にドキッとしたが、表情を変えずにフンと鼻だけ鳴らす。
「俺はついに朝が弱いのを克服したんだ!」
「偉そうに言うことか?」
父が呆れたような声で割り込んできた。新聞で顔が隠れて見えないが、この人はいつも朝からピシッとしている。ということは、低血圧は母親譲りなのだろうか。
何しろ低血圧なのか目覚めてからしばらくは全く使い物にならない俺が、起き上がってすぐに思考活動を開始しているのだから今までなら信じられない話だ。
勿論、考えることは一つ。
――さーて、今日はどうしてやろう?
今までの自分は一体何をしていたのだろうと思う。毎日毎日、ただ学校に行って、ただ授業を受けて、ただ友達と適当に話を合わせて、ただ帰ってくる。
退屈でつまらない学校生活だったことは間違いない。
だけど、今の俺は違う。学校に行く目的がある。まさに生徒の鑑と言ってもいい。
――いや、さすがにそれは違うな。
そう自分にツッコミを入れつつ、自室から出てリビングに降りた。
「お兄ちゃん、おはよう」
妹がパジャマ姿でうろうろしていた。酷い寝ぐせで髪の毛が重力に思い切り反発している。
「おはよう。それにしても笑佳(えみか)、お前の髪は毎朝爆発して大変だな」
半分しか目が開いていない妹は、首だけを俺のほうに向けてニヤッとゆるい笑顔を見せた。
「お兄ちゃん、今日はどうしたの?」
「……ん?」
「朝から私に話しかけるなんて、ずいぶん機嫌いいね」
鋭い指摘にドキッとしたが、表情を変えずにフンと鼻だけ鳴らす。
「俺はついに朝が弱いのを克服したんだ!」
「偉そうに言うことか?」
父が呆れたような声で割り込んできた。新聞で顔が隠れて見えないが、この人はいつも朝からピシッとしている。ということは、低血圧は母親譲りなのだろうか。